ブラッド・ピットのキャリア

俳優としてのキャリア~スランプの時期~

アカデミー賞にノミネートされた翌年の1996年、法廷ドラマ「スリーパーズ」に出演しますが、映画は賛否両論に終わりました。1997年の映画「デビル」ではハリソン・フォードと敵対するIRA暫定派テロリストのローリー・ディヴァニーを演じ、アイルランド訛りの英語を披露しました。「デビル」は世界興行収入が1億4000万ドルに達しましたが、批評的には失敗しました。その年末にはジャン=ジャック・アノーの映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」に主演し、オーストラリア人登山家のハインリッヒ・ハラーを演じました。この作品では共演のデヴィッド・シューリスと一緒にカリフォルニアやヨーロッパのアルプス山脈でロック・クライミングの訓練をして挑んだのですが、批評家には酷評され失敗作と言われました。1998年の「ジョー・ブラックをよろしく」では、人間を研究するために青年の身体を借りているという設定の死神役を演じたのですが、「サンフランシスコ・クロニクル」のミック・ラサールは、「ピットには観客に彼が死と永遠の謎の全てを知っている設定だと納得させることはできなかった」と評し、映画評論家のロジャー・イーバートは「ピットは素晴らしい俳優だが、この演技は誤算だ」と評すなど、ピットの演技に対し否定的な意見が寄せられました。また、映画自体の評価もあまりよくありませんでした。

この頃の出演作

  • 1996年「スリーパーズ」・・・マイケル・サリヴァン役
  • 1994年「デビル」・・・フランシス・“フランキー”・オースティン・マックイア/ローリー・デヴァンニー役(一人二役)
  • 1997年「セブン・イヤーズ・イン・チベット」・・・ハインリッヒ・ハラー役
  • 1998年「ジョー・ブラックをよろしく」・・・ジョー・ブラック/コーヒーショップの男役(一人二役)

俳優としてのキャリア~ファイト・クラブからオーシャンズ11まで~

1999年、デヴィッド・フィンチャー監督の映画「ファイト・クラブ」でカリスマ的人物であるタイラー・ダーデンを演じました。ピットは撮影に際し、ボクシング、テコンドー、グラップリングのレッスンを受けたほか、役作りのために前場を除去し、撮影後に元に戻すという徹底ぶりを見せました。同作は興行収入は予想を下回るものでしたが、翌2000年にDVDが発売されて以降はカルト的な人気作品となっています。その後、2000年のギャング映画「スナッチ」でアイリッシュ・ジプシーのボクサー役を演じました。作品そのものの評価はいくらかの批判があったものの、ピットの演技は概ね好評を得ました。翌2001年にはロマンティック・コメディ映画「ザ・メキシカン」でジュリア・ロバーツと共演を果たしましした。同作は批評的には今一つでしたが、興行的には成功を収めました。同年は1億4300万ドルの興行収入を挙げた冷戦スリラー「スパイ・ゲーム」にも出演し、ロバート・レッドフォードとも共演しました。同年11月には大人気テレビドラマ「フレンズ」の第8シーズン第9話「ブラピの「ヘイト・クラブ」」で、当時の妻だったジェニファー・アニストン演じるレイチェル・グリーンの同窓生役でゲスト出演しました。この演技によりエミー賞のコメディ・シリーズゲスト男優賞にノミネートされています。さらに12月には、1960年の「オーシャンと十一人の仲間」をリメイクした強盗映画「オーシャンズ11」にラスティ・ライアン役で出演しました。ジョージ・クルーニー、マット・デイモン、アンディ・ガルシア、ジュリア・ロバーツなどの豪華キャスト陣の1人として出演し、批評家から好評を得たほか、全世界で4億5000万ドルを売り上げ、興行的にも成功を収めました。

この頃の出演作

  • 1999年「マルコヴィッチの穴」・・・本人役(カメオ出演)
  • 1999年「ファイト・クラブ」・・・ライター・ダーデン役
  • 2000年「スナッチ」・・・ミッキー・オニール役
  • 2001年「ザ・メキシカン」・・・ジェリー・ウェバック役
  • 2001年「スパイ・ゲーム」・・・トム・ビショップ役
  • 2001年「オーシャンズ11」・・・ラスティー・ライアン役
  • 2002年「フル・フロンタル」・・・ブラッド(本人役)
  • 2002年「コンフェッション」・・・ブラッド/独身のひとり役
  • 2003年「シンドバッド 7つの海の伝説」・・・シンドバッド役(声の出演)

俳優としてのキャリア~トロイから現在まで~

2004年の映画「トロイ」ではギリシア神話の英雄・アキレウスを演じました。撮影の6ヵ月前から剣の訓練をするなどの役作りに励みました。撮影中にはアキレス腱を怪我して製作が数週間遅れるなどしましたが、同作は全世界で4億9700万ドルを売り上げ、これまでの出演映画で最も商業的に成功した作品となりました。「ワシントン・タイムズ」のスティーヴン・ハンターは、「ピットはこういった過酷な役柄を演じさせると優れている」と評しています。同年公開の「オーシャンズ12」は3億6200万ドルを売り上げ、ピットとクルーニーのダイナミックさは「ポール・ニューマンとロバート・レッドフォード以来の相性」であるととCNNのポール・クリントンにより評されました。2005年にはアクション・コメディ映画「Mr.&Mrs.スミス」に出演しました。作品自体は平凡な評価でしたが、作中でのピットと後に妻となるアンジェリーナ・ジョリーのコンビネーションが好評を得て、興行的にも成功し2005年のヒット作の一つとなりました。翌2006年、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の「バベル」でケイト・ブランシェットと共演しました。この作品はゴールデングローブ賞作品賞を受賞し、またアカデミー作品賞にもノミネートされ、ピット自身もゴールデングローブ賞助演男優賞にノミネートされるなど好評を得ました。ピットは後にこの映画への出演を自分のキャリアで最高の選択の1つだったと語っています。

様々な主演作

2007年には西部劇ドラマ「ジェシー・ジェームズの暗殺」でアメリカのアウトローであるジェシー・ジェームズを演じました。この映画での演技も高い評価を受け、ヴェネツィア国際映画祭の男優賞を受賞しました。ピットは映画のプロモーションのために同映画祭に出席。途中、ボディーガードを押しのけて現れたファンに抱き付かれるというハプニングが起きましたが、無事に男優賞のトロフィーを手にすることが出来ました。2008年にはブラック・コメディ映画「バーン・アフター・リーディング」に出演し、初めてコーエン兄弟とコラボレーションしました。同作は批評家から肯定的な評価を受け、「ガーディアン」誌では「しっかりと巻かれた、巧みなスパイコメディのプロットで、ピットの演技が面白さの一つである」としています。同年、デヴィッド・フィンチャー監督の「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」に主演し、老人の姿で生まれ齢を取るごとに若返っていく男性の役を演じました。「ボルチモア・サン」のマイケル・スラゴウは「ピットの繊細な演技がベンジャミン・バトンを不朽の名作にしている」と高く評価しました。同作の演技では、初めて全米映画俳優組合賞にノミネートされ、さらに4度目となるゴールデングローブ賞、2度目となるアカデミー賞ノミネートも果たしました。同作はアカデミー賞に合計13部門でノミネートされ、全世界での興行収入興行収入3億2900万ドルに達しました。また同年はクエンティン・タランティーの監督の「イングロリアス・バスターズ」にも主演しました。ドイツ占領下のフランスでナチスと戦うアメリカ軍人のアルド・レイン中尉を演じ、MTVムービー・アワード演技賞にノミネートされました。2011年には、パルム・ドールを受賞したテレンス・マリック監督の「ツリー・オブ・ライフ」でショーン・ペンと共演しました。また、同年には実話を原作としたドラマ映画「マネーボール」でオークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャーのビリー・ビーンを演じ、批評家から強力な支持を集め、再びアカデミー賞主演男優賞にノミネートを果たしています。2013年にはアカデミー賞作品賞を受賞した映画「それでも夜は明ける」に出演しています。

この時期の出演作

  • 2004年「トロイ」・・・アキレウス役
  • 2004年「オーシャンズ12」・・・ラスティー・ライアン役
  • 2005年「Mr.&Mrs.スミス」・・・ジョン・スミス役
  • 2006年「バベル」・・・リチャード役(ゴールデングローブ賞助演男優賞ノミネート)
  • 2007年「オーシャンズ13」・・・ラスティー・ライアン役
  • 2007年「ジェシー・ジェームズの暗殺」・・・ジェシー・ジェームズ役(ヴェネツィア国際映画祭男優賞受賞)
  • 2008年「バーン・アフター・リーディング」・・・チャド・フェルドハイマー役(英国アカデミー賞助演男優賞ノミネート)
  • 2008年「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」・・・ベンジャミン・バトン役(アカデミー賞男優賞ノミネート、ゴールデングローブ賞主演男優賞ノミネート、英国アカデミー賞主演男優賞ノミネート)
  • 2009年「イングロリアス・バスターズ」・・・アルド・レイン中尉役
  • 2010年「メガマインド」・・・メトロマン(声の出演)
  • 2011年「ツリー・オブ・ライフ」・・・オブライエン役
  • 2011年「マネーボール」・・・ビリー・ビーン役(アカデミー賞主演男優賞ノミネート、ゴールデングローブ賞主演男優賞ノミネート、英国アカデミー賞主演男優賞ノミネート)
  • 2011年「ハッピーフィート2 踊るペンギンレスキュー隊」・・・ウィル役(声の出演)
  • 2012年「ジャッキー・コーガン」・・・ジャッキー・コーガン役
  • 2013年「ワールド・ウォーZ」・・・ジェリー・レーン役
  • 2013年「それでも夜は明ける」・・・サミュエル・バス役
  • 2013年「悪の法則」・・・ウェストリー役
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